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札幌市の転倒事故の状況

■札幌市における歩行者転倒事故の現状


【目次】
スパイクタイヤの禁止※1前後から転倒による救急搬送が急増
転倒事故(転倒による救急搬送)は「すすきの地区」が圧倒的に多い
加齢とともに転倒によってケガをしやすくなるだけでなく、重症を負うリスクも高くなる
転倒による救急搬送者は通勤・通学の時間帯に多い
転倒による救急搬送者数は年齢層毎の生活行動時間によって変化
女性と高齢者の転倒事故は大きな事故になりやすい
冬期の歩行者転倒事故数は札幌市での発生が多いものの、地方都市でも決して少なくない

 1.札幌市の転倒事故

■スパイクタイヤの
禁止※1前後から転倒による救急搬送が急増
  • 転倒による救急搬送者数は、スパイクタイヤ装着率の低下※1とともに急増しました。
  • 平成4年度(1992年度)以降は、平成6年度を除いて毎年約600名以上の人が転倒し救急搬送されました。
  • 平成12年度以後は12月〜3月累計が700名を超える年もみられ、10年前の約2倍に達しています。
  • 平成16年度は過去最高の救急搬送者数となり12月〜3月累計が1,000件を越えました
  • 今のところ、スパイクタイヤの禁止※1と転倒事故の急増の因果関係を証明する科学的根拠はまだ明らかにされていませんが、車が雪氷路面を走行すると、その表面が車両からの熱で融け、非常に滑りやすいつるつる路面に変化することが明らかになっています。
※1 平成3年4月1日より、積雪・凍結状態にない舗装道路でのスパイクタイヤの使用が禁止されている

グラフ


【スパイクタイヤ禁止までの経緯】
 ◆
 昭和60年 「札幌市スパイクタイヤ問題対策審議会」(札幌市)
 ◆ 昭和62年 「札幌の街を車粉から守るためスパイクタイヤの使用を制限する条例」制定
 ◆ 平成1年 「北海道スパイクタイヤ推進条例」制定(道)
 ◆ 平成2年 「スパイクタイヤ粉じんの発生防止に関する法律」制定(国)
 ◆ 平成3年 札幌管内がスパイクタイヤ使用禁止地域に指定(国)


■転倒事故(転倒による救急搬送)は「すすきの地区」が圧倒的に多い
  • 特に集中しているのは中央区で、中でも「すすきの地区」が圧倒的に多く発生しています。
  • 中央区以外では、新札幌駅、西18丁目駅、北24条駅、澄川駅、麻生駅、琴似駅など、地下鉄駅の周辺で多く発生しています。
  • 札幌駅周辺や札幌駅から大通の間で、あまり多く発生していないのは、ロードヒーティングの整備状況などが影響している可能性があります。

グラフ


■加齢とともに転倒によってケガをしやすくなるだけでなく、
   重症を負うリスクも高くなる
  • 転倒による救急搬送者は60歳〜70歳代が最も多く、40歳〜50歳代も多くなっていますが、人口1万人あたりの転倒による救急搬送者数は、年齢層が上がるとともに高くなっています。
  • 年齢層が上がるとともに、転倒事故で重症を負うリスクが高い傾向が見られます。

年齢層別 転倒事故の推移グラフ 


人口1万人あたりの年齢層別救急搬送者数の推移
年齢層別・けがの程度別の救急搬送者の割合

※札幌市消防局資料による

 

 2.札幌市の転倒事故-詳細分析−

1)時間帯別の救急搬送者数
■転倒による救急搬送者は通勤・通学の時間帯に多い

救急搬送者数
  • 午前4時以降の3時間毎の救急搬送者数の推移を見ると、転倒による救急搬送が最も多く発生しているのが7時〜9時台、16時〜18時台が2番目となっており、通勤・通学の時間帯と一致しています。


【時間帯別 転倒事故による救急搬送発生箇所図】(平成8〜14年累計)

時間帯別に事故発生箇所を地図にプロットすると、昼間の時間帯は中心市街地だけでなく、JR/地下鉄沿線及び駅周辺も事故が多数発生していますが、深夜から早朝の時間帯では、中心市街地での集中発生が顕著です。
  1. 7時〜10時まで
  2. 10時〜13時まで
  3. 13時〜16時まで
  4. 16時〜19時まで
  5. 19時〜22時まで
  6. 22時〜1時まで
※時間帯別の発生状況がご覧になれます。

■転倒による救急搬送者数は年齢層毎の生活行動時間によって変化

救急搬送者数
救急搬送者数

  • 65歳以上の救急搬送者は10時〜12時台が最も多く、65歳未満は7時〜9時台と16時台以降に多い。
  • 男性の救急搬送者は朝と夜(22時頃)に2分化して分布している。
  • 女性の救急搬送者は朝から夕方(16時頃)に多く、日没後は減少する。


2)属性別の救急搬送者数
■女性と高齢者の転倒事故は大きな事故になりやすい

救急搬送者数
gh08.gif

※札幌市消防局資料による


  • 女性の中等症、重症者数は男性よりも多く、転倒事故で深刻なけがを負いやすい傾向が見られます。
  • 高齢になるほど転倒事故で重症を負う人が多くなる傾向が見られます。

 

 3.札幌市と他の自治体との比較


■
冬期の歩行者転倒事故数は札幌市での発生が多いものの、
  地方都市でも決して少なくない


  • 平成8年度〜12年度の救急搬送件数を比較すると、札幌市の年平均救急搬送件数は約750件と格段に多いことがわかります。

  • 一方、人口1万人あたりの年平均救急搬送件数を推計すると、小樽市や旭川市の約1.5〜2倍程度にとどまっています。

  • このことから、冬期の歩行者転倒事故は、札幌市のような大規模都市だけで顕著に発生しているのではなく、地方都市の転倒事故リスクも決して少なくないと考えられます。


【冬期歩行者転倒事故による救急搬送比較】
小樽市 旭川市 兵庫県北部 札幌市
H8〜H12平均 38.8 78.6 8.8 746.2
人口(H16) 146,572 362,049 559,020 1,861,652
年平均/1万人 2.6 2.2 0.2 4.0
(単位:人)
※各地の消防局の救急搬送原票に基づく。ここでは各年度の12月〜3月までを冬期間としている。
※人口:各自治体の住民基本台帳に基づく統計。但し、兵庫県北部は推計。(県人口の約1割)

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